島原素麺の歴史

現代も食べられている索餅

素麺は、奈良時代に唐から伝来した唐菓子の一つ、索餅に由来するというのが定説です。索餅は、もち米と小麦粉を細長く練り2本を索状によりあわせて油で揚げたもので、「神饌」として現在でも用いられており、素麺の原形を知る手がかりとなっています。
日本に伝えられた時点でどのような形状であったのかについては諸説あるようですが、現在の素麺や饂飩よりもかなり太く、ちぎって食べたのではないかとする説が一般的です。
室町時代には現在の形になり「索餅」「索麺」「素麺」の名称が混じって用いられたが、やがて「素麺」が定着したようです。(参考・Wikipedia)

素麺は生地をねじりながら2本の棒にかけ、引き伸ばして細くする

「島原素麺」の始まりは、1637(寛永14)年の島原の乱以降、約380年の昔から。
島原の乱の影響で周辺人口が激減し、農村復興のために幕府が行った移民政策によって移り住んだ人たちにより、「そうめん作り」が伝えられたといわれています。
その出身地は、「小豆島」とも、奈良県「三輪」とも伝承されておりますが、いずれも由緒正しいそうめん名産地に、その端を発していることは周知の事実です。
「島原素麺」は、当時の城主の保護を受けながら、研究を重ね、技術を磨いて歴史と伝統を誇る逸品「島原手延べ素麺」が今日まで受け継がれてきたようです。

贈答品としても喜ばれる島原手のべ素麺

島原素麺は、全国で二番目の生産量。品質に優れ、実力は実質「日本一」と言っても過言ではありませんが、古くから「三輪」に供給されていた歴史があったので、全国的には知名度は低迷しておりました。
しかし近年は「産地表示」の問題もあって、「島原素麺」のブランド名は皆様に広く知られるようになっています。
非常に高度な温度管理を行う事によって、麺のシコシコ感を出すと共に、新鮮な麦の味と香りが楽しめ、かつ、モチモチとした食感も楽しめてしまうという、まさに島原の味・・・・それが島原素麺です。

北田の麺作り「百本百心」

2mもの長さにまで引き延ばすには
熟練した職人の技術を要する

麺の「旨さ」や「美味しさ」は、産地や生産量で語られるべきではなく、
麺作りに励む麺匠をお選びいただくこと!これが、本当に「美味しい」麺との出会いをお約束できることではないかと思います。
素麺作りは天候次第で麺が変化する、大変繊細な仕事です。その変化を五感を駆使して感じ取り、「麺の気持ち」にならないと美味しい素麺は作れません。
「五感を駆使して麺の気持ちになり、麺と一体となる。」それが北田製麺に伝わる「百本百心」です。

また、作り方が上手なだけでは美味しい麺はできません。原材料にもとことんこだわっております。
麺にも粉との相性があります。素麺なら素麺に合う最高の粉を使い、様々な粉をブレンドして試作を繰り返しながら常に美味しさを追求しております。

様々な麺を製造する中で培われた知識と熟練した職人技が、厳選された素材の良さを引き出し、最高の麺を生み出します。
「お客様に美味しいものを食べていただきたい」
その想いで北田製麺は今日も「百本百心」。真に美味しい麺作りに挑戦しております。

島原素麺の製造工程ご紹介

乾燥に最適な時間に合わせるため、
素麺作りの朝は早い

北田製麺の「島原そうめん」の「手延べ」製法は、親から子へ5代にわたり伝承されてきました。 旨さの秘密も、この「手延べ」製法にあります。
会社では早朝から、麺つくりが始まり、いくつもの工程にわかれている作業を家族や社員の力を合わせて造っていきます。丹念な作業の為、大量生産はできませんが、コシがあり、「美味しい」「旨い」」のお言葉を頂戴しています。
現在では、一部は機械化はしたものの、棒状にした生地を2本の箸にかけ、手で引き伸ばしては束ねる作業を繰り返しながら熟成させ、紐状に細くし乾燥させ麺を形成していく手法、いわゆる手作業である「手延べ」の技を伝承しつづけています。
麺匠達の微妙な力加減で手伸ばしされているので、コシが強く、ぷるんと滑らかな食感を作り出しています。

「北田製麺」の島原素麺は、古くなった油の色を誤魔化す為に漂白剤を使う事がありません。小麦本来の色である「ナチュラルブラウン」。本物だけが持つ色合いの素麺に仕上がっております。
厳選された良質の小麦粉と雲仙岳の麓から湧き出る清冽な水、温暖な気候の中で、仕込みから製束までの十数工程のひとつひとつに、手作りならではの確かな技が生かされ、独自のコシ、コク、麺肌、風味を作り出しています。

1. ミキシング
小麦粉・食塩・水をこね合わせ、麺生地を作ります。食塩の濃度はその日の温・湿度に応じて微妙に変えます。
2. 足踏み
良くこねた生地を平らな板の上に返し、ビニールをかけ良踏により均一に踏み広げます。今は機械化されましたが、昔はとても体力のいる仕事でした。
3. 切り廻し
渦巻き状の切れ目を入れ、一枚の長い板(麺線)を作ります。
4. 細目(ほそめ)
重ねたロープ状の麺線を引き伸ばしながらよりをかけ、麺紐にと細くしていきます。
5. こなし(小均)
さらにねかせた麺紐より、麺の大きさを整えながら、いたぎ→二番より→三番よりの順で、さらに細く長く麺紐に延ばして行きます。
6. しの掛け
細く成った麺紐によりをかけながら2本の棒に8の字を描くように掛け室箱に入れねかせます。
7. 小引(こびき)
室箱から取り出した麺紐を熟成の進み具合や天候を見ながらおよそ50cm前後まで引き延ばします。
8. 延ばし
昔ながらの道具を使い、微妙な力加減で手延ばしします。滑らかでぷるんとした食感は「延ばし」からくるものです。
9. はたかけ
適度に熟成された麺線を引き伸ばしながらハシで分け、密着しないようにしてハタ付けを行い、麺一本一本に愛情を込めて箸を入れます。
10. 乾燥
温度や湿度に応じて、扇風機や除湿機、温風機、換気扇などを使って、じっくり時間をかけて、乾燥させます。
11. こわり
乾燥がおわった麺を「ハタ」からはずして切断、結束機で1束50gにして帯を巻きます。
12. 選別・検査
一つ一つ手作業で、コブや曲がった麺を除去し、異物の混入をチェックします。選別・検査後、再度精査しながら200g、300gに分けて袋入れします。